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Chapter.80 [ Resumeステートメント ]

■エラー処理の仕上げへ

さて、本講座もいよいよ80回目を迎えました。

これもひとえに、ご覧になってくださっている皆さんや、応援してくださる皆さんのおかげです。本当にありがとうございます。

今回は、エラー処理の最後の仕上げとして、Resume ステートメントについてやりたいと思います。

前回、前々回と、エラー処理に関することを基本から解説しました。今回の Resume ステートメントをマスターすれば、エラーに関してはほぼ大丈夫でしょう。

Resume ステートメントは、エラーが発生した際の対処に柔軟性を持たせてくれます。今までは一方通行なエラー対処法しかできませんでしたが、Resume ステートメントを活用することによって、再帰的に、エラーに対処することができるようになります。

頻繁に使う機能ということではないと思いますが、Resume ステートメントの使い方を知っていると便利な場面が必ずあります。ゆっくりで構いません。焦らず習得を目指してください。


■2種類ある Resume

以前の講座で、次のような記述について解説しましたね。

On Error Resume Next

順番に読み進めてきている方なら、今更解説の必要はないでしょう。
上記のコードは、エラーが発生した際に、そのエラーを無視するように設定するコードですね。

この一文をよく見てみると、その中に『 Resume 』という言葉が含まれています。しかし、今回解説する Resume ステートメントと、先ほど出てきた Resume は全くの別物です。
スペルは同じですが、違うものなので混同しないように気をつけてください。

それでは Resume ステートメントって何? ということですが、まずはこの英単語を、素直に直訳してみましょう。Resume を直訳すると『再開する』とか『再び始める』という意味になります。Resume ステートメントは、まさにこの単語の意味そのままの動作を実現させます。


■それで、どうやって使うの?

それでは、具体的な使い方を見てみましょう。

今回まずは、コードから見てもらうことにします。

Sub ResumeTest()

On Error GoTo ERR_HND

    Worksheets(5).Name = "5番目のシート" '①
    
    Exit Sub
    
ERR_HND:

    Worksheets.Add '②
    
    Resume '③
    
End Sub

このコードは、ワークシートの『シート名』を変更するコードです。

まず、プログラムが開始されるとすぐに、エラーをトラップするために、『 On Error GoTo ERR_HND 』が出てきますね。
これ以降、もしもエラーが発生すると、ERR_HND: と書かれている部分にコードが移ります。ここまではいいですね。

そして、①の部分を見てください。

ここでは、ワークシートの名前を変更するコードが書かれています。5番目のワークシートの名前を、『5番目のシート』という名前に変更しようとしています。

しかし、考えてみてください。もしも、ワークシートの5番目が存在しなかったらどうなるでしょう。普通は Excel のワークシートの規定値は3つに設定されていることが多いです。新しくブックを作成すると、ワークシートが3つあるのが普通ですね。

存在しないワークシートに名前をつけようとすれば……、これは当然エラーが発生します。

エラーが発生すると、先ほど設定した『 On Error GoTo ERR_HND 』の効果が働いて、コードの実行が行ラベルの部分に移ります。

そして、そこで②です。

②では、ワークシートを新しく追加しています。

Worksheets.Add

Add メソッドは、新しくワークシートを追加する機能を持っています。ですから、エラーが発生した場合にはこの部分にコードの実行が移り、新しくワークシートが追加されるわけです。

ワークシートがひとつしかない場合には、ワークシートがふたつになります。
ワークシートがふたつしかない場合には、みっつになりますね。

そして、その次に登場するのが、今回の肝、Resume ステートメントです。緑の文字で書かれている、③で示した部分ですね。

Resume ステートメントにコードの実行が差し掛かると、エラーが発生した場所にコードの実行が戻ります。

エラーが発生した場所、なので、今回で言うと①の部分にコードの実行が戻るのです。

つまり、エラーが発生してしまったところを、もう一度やり直すことができるんですね。これは便利です。

今回のコードでは、最初の段階でワークシートがたったひとつしかなくても、全く問題ありません。なぜなら、Resume ステートメントが機能することによって、『5番目のシートの名前を変更する』という目的を達成するまで、新しくシートを追加し続けるからです。

ワークシートの数が5つに満たないうちは、エラーが発生し続けますよね。それでも、エラー処理の中でResume ステートメントが機能することによって、何度でもワークシートを追加し続けるので、いつかは必ず5番目のシートの名前を変更することができるのです。


■おまけ:Err オブジェクト

さて、最後になりますが、ちょっとしたおまけとして、Err オブジェクトについて簡単に解説しておきます。

Err オブジェクトは、エラーの原因を特定したいときに非常に便利な機能を持っています。

VBAのコードの実行中に、なんらかのエラーが発生すると、次のように警告メッセージが出てきますね。きっと、しょっちゅう顔を合わせている人もいるでしょう。

460.gif

VBAで発生するエラーには、『エラー番号』と、どのようなエラーかを表す『エラーの内容』が必ず存在します。

エラー番号 11 ⇒ 『0で除算しました』

エラー番号 380 ⇒ 『プロパティの値が不正です』

エラー番号 440 ⇒ 『オートメーションエラーです』

このエラー番号と、エラーの内容は、後から調べることができます。その際に活躍するのが Err オブジェクトです。

エラーが発生すると、VBAはエラー番号とエラーの内容を、Err オブジェクトに自動的に格納します。

そして、情報が格納された Err オブジェクトへアクセスすることで、直近に起こったエラーの番号と内容を調べることができます。

Err.Number ⇒ エラー番号
Err.Description ⇒ エラーの内容

Err オブジェクトを有効に活用すると、エラーがなぜ発生したのかを調べ、エラーの種類によって処理を分岐させたりすることができます。

このエラーが起きたときはこの処理を、別のエラーのときはこちらの処理を、といった使い分けができるのですね。
あまり使うことは無いかもしれませんが、覚えておくといいでしょう。



■格言

Resume ステートメントで再起処理
Err オブジェクトを活用して
エラー番号やエラーの内容を調べる


これでもう、エラーは恐くないです……よね?



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