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Chapter.64 [ ラジアンの活用:任意の角度へ移動する ]

■角度を決めて移動する

前回はラジアンを使って、円運動を行いました。
ある点を中心として、その周りを円を描くように移動することができましたね。

今回はこれを応用して、任意の方角へ向かってまっすぐに移動するプログラムを作ってみましょう。実は前回の講座で解説した内容を理解していれば、今回の内容はさほど難しくありません。頭を柔らかくしてチャレンジしてみてください。

さて、それでは円運動と、任意の角度でまっすぐ移動することと、そこには一体どんな関係があるのでしょうか。なんとなく角度が関係しているということは想像できますね。

円運動をするときは、移動先の座標を、少しずつ角度を増やしながら連続して処理することで実現しました。一番最初は1度の座標に、次は2度の座標に、次はまたもう少し増やした座標に……という具合に、少しずつ移動先の座標を変えることで、円を描いているような移動を実現することができましたね。

任意の方角へ移動させるということは、円運動とは違って、ずっと同じ方向へ向かって移動すればいいですね。ということは、毎回同じ角度の方向へ向かって移動させ続ければ、それで任意の方角へ向かって移動させることができるはずです。


■復習

それでは簡単にラジアンについて復習しておきましょう。

ラジアンとは、弧度法と呼ばれる角度の考え方の単位でしたね。円が360度で表現される度数法とは、全く異なる角度の単位で、内角と弧の比率から求められる角度の考え方です。

そして、度数法の『度数』から、弧度法の『ラジアン』を求めるには、次のような公式を使えばよかったのでしたね。

度数⇒ラジアン の変換公式

    rad = ang * 3.14 / 180

    rad……ラジアン
    ang……度数

ang の部分に好きな角度を入れて、上の式を計算すると、それに対応したラジアンの値を得ることができます。ここで取得したラジアンを使って、サインとコサインを計算すると、目的の角度にどのくらい移動すればいいのかがわかります。

今現在の位置が、横位置 X 、縦位置 Y 、で表されるとき、任意の角度の方角へ移動した座標を得るには、次のようにします。

現在の座標( X , Y )

移動先の横位置 = X + 移動する量 * Cos(ラジアン)

移動先の縦位置 = Y + 移動する量 * Sin(ラジアン)

ここで重要なのは、『横の移動量を計算するときにはコサイン(Cos)を使う』、『縦の移動量を計算するときにはをサイン(Sin)使う』というルールです。それさえわかっていれば、上の式の通りに計算すれば、任意の方角へ向かって移動するという計算が簡単にできます。

これをまとめると、角度による計算を行う場合には、次のような流れで計算すればいいのですね。

何度の角度で移動するか決める(この例では45度)

    ang = 45

角度からラジアンを求める

    rad = ang * 3.14 / 180

ラジアンを元に縦横の移動量を求める

    移動先横座標 = 現在の横位置 + 移動する量 * Cos(rad)
    移動先縦座標 = 現在の縦位置 + 移動する量 * Sin(rad)

円運動の時には、ang に入る角度を少しずつ増やしながら連続して処理しました。移動する量が一定であれば、移動先の座標の角度だけが変化するので、まるでコンパスで円を描くときのように、移動先が変化しました。

任意の角度へ向かってまっすぐ移動する場合には、角度が途中で変わってしまっては変ですね。ですから、現在の横位置や、現在の縦位置を常に更新しながら処理していきます。

Sub MoveBall(ang As Long)
    
    Dim rad As Single 'ラジアン
    Dim X As Single 'ボールの座標 横位置
    Dim Y As Single 'ボールの座標 縦位置
    
    Dim SPEED As Single '移動スピード
    Dim STIME As Long '同期処理を行うために使う
    Dim FLG As Boolean 'ループ終了フラグ
    Const PI As Single = 3.14159 '円周率
    
    X = 100 '最初の横位置座標を設定
    Y = 100 '最初の縦位置座標を設定
    
    FLG = False
    SPEED = 3 '移動スピードを設定
    rad = ang * PI / 180 'ラジアンを求める
    
    Do Until FLG
        STIME = GetTickCount
        With UserForm1.Image1
            X = X + SPEED * Cos(rad) '横位置を計算
            Y = Y + SPEED * Sin(rad) '縦位置を計算
            .Left = X - .Width / 2 'イメージコントロールの位置調整
            .Top = Y - .Height / 2 'イメージコントロールの位置調整
            If X > 200 Then FLG = True
            If X < 0 Then FLG = True
            If Y > 200 Then FLG = True
            If Y < 0 Then FLG = True
        End With
        DoEvents
        Do
            Sleep 1
        Loop Until GetTickCount - STIME > 30
    Loop
    
End Sub

前回のサンプルを少しいじったものです。

このプロシージャは、引数をひとつ取るようになっています。

Sub MoveBall(ang As Long)

ang の部分に任意の角度を引数として渡して、このプロシージャを呼び出せばいいのですね。

このコードは、ユーザーフォーム(UserForm1)上に、イメージコントロール(Image1)が配置されていないとうまくいきませんので注意してください。

今回もサンプルを用意していますので、そちらをダウンロードして動かしてみるのが一番わかりやすいと思います。
サンプルでは、スピンボタン(SpinButton)というコントロールを活用してコードを組んでいます。

370.gif

スピンボタンを使って、好きな角度を指定することができます。角度を決めて、コマンドボタンを押すと、ボールがその方角へ向かって移動します。
指定できる角度は、最低が1度、最大が360度です。色々変更してやってみると面白いと思います。

371.gif


サンプルダウンロード ⇒ コチラよりダウンロードできます。(別館)



■格言

角度を変えずに移動すれば斜めにも移動できる
シューティングやアクションに活用できる


円運動よりも、実は簡単かもしれませんね。

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