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Chapter.120 [ テキストファイル操作:様々な読込編 ]

■セパレータ文字

前回は CSV ファイルを扱う際の注意点について、簡単にですが取り上げました。Input ステートメントを用いた読み込み処理では、ファイル内の改行とカンマはセパレータ文字として認識されます。読み込まれる文字列は、改行やカンマごとに区切られた状態で、順番に読み込まれるのでしたね。このことを正しく理解していないと、カンマを含んだテキストを読み込む際に、思わぬ落とし穴にはまることになりかねません。小さなことではありますが、覚えておいて損はないでしょう。

さて、今回は前回に引き続き読み込み処理について取り組んでみます。

Input ステートメントには、カンマを無視して、一行ずつ読み込み処理を行う方法も用意されています。まずはそちらから見ていきましょう。


■Line Input ステートメント

カンマの含まれているテキストを、カンマごとに区切ることなく、一行ごとに読み込みたいと考えたとき、普通に Input ステートメントを使ってもうまくいきません。先ほども書いたように、改行とカンマがセパレータとしての役割を果たすためにうまくいかないのですね。

例えば、以下のような内容のテキストファイルがあるとします。

1,2,3,5,8
8,5,3,2,1

このファイルは、ファイル名が「 test.txt 」で、コードが実行されるブックと同じディレクトリ(フォルダ)にあると考えてくださいね。ちなみに数字のならびに特に意味はありません。10個の数字がカンマで区切られた状態で並んでいます。
これを一行ごとに読み込みたい、というケースを考えてみてください。

前回までのように、Input ステートメントを用いて読み込み処理を行い、結果をイミディエイトペインに出力すると、どのようになるかわかりますか?

Sub inport()

    Dim L As Long
    Dim S As String
    Dim fName As String
    Dim fString As String
    
    L = FreeFile
    fName = ThisWorkbook.Path & "\test.txt"
    
    Open fName For Input As #L
    
    Do
        Input #L, S
        fString = fString & S & vbCrLf
    Loop Until EOF(L)
    
    Debug.Print fString
    Close #L
    
End Sub

このプロシージャを実行すると、その結果は次のようになります。

700.gif

カンマがセパレータとしての役割を果たし、数字がそれぞれ個別に読み込まれているのがわかりますね。当然、カンマは読み込まれた文字列のなかには含まれていません。

これを、カンマを無視して一行ごとに読み込もうと考えた場合には、Line Input ステートメントを用いるとうまくいきます。

Sub inport()

    Dim L As Long
    Dim S As String
    Dim fName As String
    Dim fString As String
    
    L = FreeFile
    fName = ThisWorkbook.Path & "\test.txt"
    
    Open fName For Input As #L
    
    Do
        Line Input #L, S
        fString = fString & S & vbCrLf
    Loop Until EOF(L)
    
    Debug.Print fString
    Close #L
    
End Sub

たった四文字、ステートメントが増えただけですが、実行結果は全く異なる内容になります。

701.gif

今度は、カンマもしっかりと読み込まれているのがわかりますね。
Line Input ステートメントは、その名のとおり、ひとつのラインごとに読み込み処理を行います。つまり、一行ごとにデータを読み込んでいくのですね。ですから、あくまでも、改行文字のみがセパレータとして働くようになったわけです。
これで、カンマを含んだテキストファイルも、通常のテキストファイルと同じように扱うことができるようになりましたね。


■魅惑のバイナリモード

さて、Input ステートメントや、Line Input ステートメントについては、大筋で理解できたでしょうか。要はデータを読み込むだけなのに、結構いろいろなルールや注意点がありましたね。

しかし、ファイル操作の世界はさらに奥深いものです。特に、バイナリモードの使い方を覚えると、途端に楽しいことになります。しかし、バイナリモードとはなんぞや? という人も多いはず。今回はこのバイナリモードについても少しだけ触れておきましょう。

まず、バイナリとは何でしょう。
英語で表記すると「 Binary 」ですね。

もともと Binary は「二進法」や「二対の」と訳される単語です。しかしパソコン用語としての Binary は、テキストファイル以外のファイルを指して使われることが多いです。と、こんなふうに書いてもちんぷんかんぷんですね。

本来、パソコンは全て機械語によって動作します。機械語とは、0 と 1 だけで構成された、パソコンにしかわからない命令の集合です。しかし、いくらパソコンが機械語で動作するからといっても、人間がそれを操作できないのでは困ってしまいますね。そこで人間が見て意味がわかるようになっているもの、それがテキストファイルだと考えることができます。

例えば、エクセルのブックは、2003までなら拡張子が XLS となっています。2007からは、拡張子が変わって XLSX になりましたね。しかし、このファイルをメモ帳などのテキストエディタで無理矢理開いてみると、どんなものが表示されるでしょうか。きっと、恐ろしいものが見れると思います。

702.gif

こんな感じですね。まったく意味がわかりません。
メモ帳などで開いてもまるで意味がわかりませんが、これを Excel で開く分には、きちんとエクセルブックとして利用することができます。これはどうしてなのでしょうか。

日本語しかわからない人には英語で書かれた文章は読めません。まさしく、これと同じことが起こっているのです。XLS ファイルは、Excel にしか扱えないファイルなんですね。Excel 専用のルールで記述されたファイルなので、メモ帳には意味がわからなかったわけです。

その他の拡張子のファイルでも、これと全く同じことが起こります。拡張子が BMP となっているビットマップファイルを、Excel で開くことはできませんね。でも、Windows 付属のペイントなら、ビットマップファイルを開くことができます。これは、ペイントというソフトが、BMP ファイルの操作方法を知っているからです。同様に、やはり BMP ファイルをメモ帳で開くことはできません。ま、やってみればわかりますが、XLS ファイルのときと同じように、やっぱり大変なことになると思います。

ただ、メモ帳で無理矢理ファイルを開いたとき、文字化けばかりでまったく意味はわからないとはいえ、何かしらのデータが存在していることはわかりますね。文字化けしてしまうということは、そこに何かしらのデータがあることは間違いありません。この「何かしらのデータ」こそがバイナリデータです。

ちょっと語弊がありますが、要するに、全てのファイルは、最終的にはバイナリデータなのです。0 と 1 だけで構成された、無味無臭のデータなのです。ちょっと考えてみれば当たり前ですよね。だってパソコンは機械語しかわからないのですから。
しかし 0 と 1 だけで構成されたバイナリデータであっても、それを扱う側にさえ意味がわかれば、それを活用することができるはずです。あるソフトウェアは、0000 を単に数字のゼロとして考えるかもしれません。また別のソフトウェアは、0000 を英語の A として考えるかもしれません。はたまたさらに別のソフトウェアは、0000 を黒い色だと判断するかもしれませんね。同じデータでも、扱うソフトが違えば、解釈も違ってくるのです。


すこし、まとめてみましょう。

パソコンは機械語( 0 と 1 の世界)しかわからない
つまり全てのデータは最終的には機械語でしか扱えない
この機械語のデータこそがバイナリデータ
要するに全てのファイルは、結局はバイナリデータ
そのバイナリデータをどう使うのかはソフトウェアが決めればいい

こうして考えてみると、実に不思議ですね。皆さんはいつも無意識のうちに、BMP ファイルなら画像データだな……XLS ファイルならエクセルのブックだな……と考えているかもしれませんが、中身は結局 0 と 1 だけで構成されたバイナリデータに過ぎません。それぞれのファイル形式には、一定のルールがあります。そのルールにのっとってバイナリデータが記述されているからこそ、それを画像として楽しんだり、表計算のデータとして活用したりすることができるのです。

このことをさらに深く考えていくと、面白い発想が生まれます。
もし、自分自身が作ったルールで、バイナリデータを記述することができたとしたら、どうでしょう。そのバイナリデータは、まさしく自分にしか扱えない、特別なフォーマットのデータであると考えることができますよね。拡張子だって好き勝手につけてしまえばいいわけです。だってどのみち他のソフトウェアで開くことはできないのですから。これってすごくワクワクしませんか?

え、しない?

だとしたら、ちょっともったいない話です。VBA を使えば、自分だけの独自形式ファイルを作る事だってできるのです。シューティングゲームのリプレイファイルを作ったり、RPG のセーブファイルを作ったり、それはもう思いのままにどうにでもできます。そして、それを実現するためにこそ、バイナリモードが必要なのです。


■まとめ

さて、Line Input ステートメントの使い方に始まり、最後はバイナリモードの話などをしましたが、いかがでしたでしょうか。

何を隠そう、私も最初はバイナリの意味がわかりませんでした。それに、バイナリモードってなんにつかうのかしらと思っていました。しかし、一度バイナリモードを習得すると、これが実に面白い。なにより、自分勝手にルールを作って、自分にしかわからないようにデータを記述できるなんて、なんともステキです。

全てのファイルは、つまるところバイナリデータであり、それをどう使うのかは、ソフトウェアが決めればいいだけのこと。ソフトウェアを作るのは開発者ですから、結局は、開発者がどうファイル形式を構築するか、これがソフトウェアを製作する過程では重要になるのです。

私達は ExcelVBA という既に存在しているソフトウェア上で開発をしていますが、だからといってエクセルブック以外のファイルを使ってはいけないわけではありません。自由に外部ファイルを使って保存をすることも、それを読み込むことも、できるのです。
次回は、バイナリモードについてもっと詳しく取り上げる予定です。お楽しみに。



■格言

Line Input で一行ごとに読込可能
全てのファイルはバイナリファイル


Binary、実にいい響きです。

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そうですよね。RPG等、長時間かけてクリアするようなゲームを作る場合は、必要不可欠です。
始めは、テキストファイル(拡張子=.txt)でデータファイルの読み書きの確認・調整をし、
データファイルが完成したら、容易にデータ改ざんできないように拡張子を変更(.datなど)に
すれば多少は本格的になりますよ。
(拡張子を元に戻せば修正も可能です。)
  • 中山功一#sfl/mmIw
  • URL
  • 2009.09.08(Tue)
  • Edit

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