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Chapter.112 [ ブロック崩しゲーム7:根幹処理とバーの処理 ]

■ベースとなる処理

前回は、ワークシートに作成したブロック配置図からデータを読み込む方法を解説しました。これにより、ステージを設計したり、あるいはそれを修正したりするのが簡単になりました。あとあとバージョンアップなどを行う際にも、こういった汎用的なプロシージャがひとつあると、なにかと楽になります。

さて、今回はブロック崩しゲームの根幹となる、メインループなどを作成していきましょう。今まで取り扱ってきたゲームでもそうでしたが、このメインループはゲームを開始したあと常に動き続けます。そして、メインループを通してあらゆる処理が呼び出され、結果的にひとつのゲームとして全ての処理が繋がっていきます。

今回のブロック崩しでは、メインループ内で次のような処理を呼び出します。

・ボールの移動などを行う処理
・バーの移動などを行う処理
・ブロックが全部消えているかどうかチェックする処理
・ボールを落としてしまっていないかチェックする処理

大まかにわけて、よっつの処理がメインループから呼び出されるわけですね。

今回は、メインループの雛形をまず作ります。
雛形が完成したら、バーの移動を行う処理まで盛り込んでみることにしましょう。


■メインループの構造

講座内でなんども使っているメインループですが、今回は以下のような感じになります。

Sub main()

    Dim F As Boolean
    Dim Time_Count As Long
    
    Do Until F
    
        Time_Count = GetTickCount 'ループ開始時の時間を取得
        
        If Ball.Vis Then 'ボールが表示されているときは
            'バーの移動処理
            'ボールの移動処理
            'クリアしているかチェックする処理
        Else 'ボールが表示されていない
            'ゲームオーバー処理
        End If
        
        DoEvents 'OS に制御を戻す
        
        Do
            Sleep 1 'スレッドを休憩させる
        Loop Until GetTickCount - Time_Count > 20 '最低20ミリ秒待つ
        
        If GetAsyncKeyState(27) Then F = True 'ESCキーで停止できるようにしておく
        
    Loop
    
End Sub

このプロシージャがメインループの役割を担います。
宣言されている変数は2種類ありますね。変数 F はメインループを抜けるかどうかを判断するのに使います。この変数に True が入ると、それを合図にループが止まるようになっています。

また、変数 Time_Count は、同期処理を行うために使う変数です。ループが始まった直後に GetTickCount で時間を取得しておき、一定の時間が経過するまでは Sleep を含んだループを空回しする、これにより、CPU に負荷をかけずに時間が調節できます。

もし、このような同期処理を行わないと、ゲームの進行が速くなりすぎて、なにがなんだかわからなくなりますので注意しましょう。

肝心のメインループの中身は、今はまだコメントだけが記述されていますね。
ここには、今後作成していくボールやバーの処理が入ってきます。それぞれの処理が完成したら、ここから呼び出していくようになります。


■バーの移動処理

今回は引き続き、バーの移動処理を実装してみましょう。
バーの処理では、ユーザーのキー入力を検知して処理していきます。 GetAsyncKeyState を使ってキーの状態を調べ、それに応じて処理していけばいいのですね。

早速、コードを見てみましょう。

Sub Bar_Move()

    Dim S As Single
    
    With Bar
        If GetAsyncKeyState(37) Then .X = .X - 7.5 ' ← キー
        S = W_Bar / 2 '①
        If .X < S Then .X = S
        If GetAsyncKeyState(39) Then .X = .X + 7.5 ' → キー
        S = W_Field - W_Bar / 2 '②
        If .X > S Then .X = S
    End With
    
    With UserForm1
        .Ima_bar.Left = Bar.X - W_Bar / 2
    End With
    
End Sub

GetAsyncKeyState は、引数にキーを表す数値を指定して呼び出すことで、現在のキー入力の状態を調べることができる API です。

矢印キーの状態を調べて、その結果に応じてバーを動かしているわけです。
若干わかりにくいのは、キーの入力を検知したあとの計算を行っている部分だと思います。ここはじっくり見ていきましょう。

①の部分は、左の矢印キーが押されていた場合の処理ですね。
ここでは、汎用変数である変数 S に、バーの横幅の半分を入れています。なぜこんなことをするのか、わかるでしょうか。
実はこれは、バーが左側の壁にめり込んでいくことを防止するための処理です。ポイントは、バーを管理する構造体である変数 Bar の各要素の役割をよく理解しておくことです。

バーを管理する構造体変数 Bar は、X と Y というふたつの要素を持っています。この X と Y は、バーの横位置と縦位置を管理するための要素ですね。X が横位置、Y が縦位置です。
そして、この要素 X と Y は、バーの中心部分の座標を管理するための要素です。図で表すと次のような感じですね。

640.gif

これを踏まえて考えると、左側の壁に目いっぱい寄せたときの X の座標は、バーの横幅のちょうど半分になるということがわかりますね。先ほどのように汎用変数 S にバーの幅の半分を入れておき、それをもとに現在の座標をチェックするようにすれば、バーが壁にめり込んでしまっているのかどうかを調べることができるわけです。

①の場合は、このようにして左側の壁と、バーの現在位置を比較しているのです。もし、バーが壁にめり込んでいるような座標にある場合は、これをその都度修正してやればバーは壁にめり込まないようにすることができます。

②の場合にも、①の場合とほとんど同じように処理しています。右側の壁に、バーがめり込んでしまっていないか調べながら処理しています。②ではフィールドの幅とバーの幅をうまく組み合わせて処理しています。ちょっと複雑に見えるかもしれませんが、落ち着いて考えてみてください。


■まとめ

バーの移動処理が完成したので、これをメインループから呼び出すようにしておきます。

Sub main()

    Dim F As Boolean
    Dim Time_Count As Long
    
    Do Until F
    
        Time_Count = GetTickCount 'ループ開始時の時間を取得
        
        If Ball.Vis Then 'ボールが表示されているときは
            Bar_Move 'バーの移動処理
            'ボールの移動処理
            'クリアしているかチェックする処理
        Else 'ボールが表示されていない
            'ゲームオーバー処理
        End If
        
        DoEvents 'OS に制御を戻す
        
        Do
            Sleep 1 'スレッドを休憩させる
        Loop Until GetTickCount - Time_Count > 20 '最低20ミリ秒待つ
        
        If GetAsyncKeyState(27) Then F = True 'ESCキーで停止できるようにしておく
        
    Loop
    
End Sub

これで、メインループからバーの移動処理が呼び出されるようになったので、キチンとゲームにメインループを実装させれば、バーがキーの入力に応じて移動するようになります。

前回の講座では、まだメインループができていなかったので、このメインループ自体が実装されていませんでした。ユーザーフォーム上に配置した、スタートボタンの役割を担うコマンドボタンがありましたね。このコマンドボタンのクリックイベントから、メインループが呼び出されるようにしておきましょう。

以前、このコマンドボタンを配置したときには、特に名前の変更などを行っていませんでした。今回はこれの名前もしっかり変更しておきます。スタートボタンの役割をするコマンドボタンですので、ここでは名前を Com_start としています。

Private Sub Com_start_Click()

    Com_start.Enabled = False
    
    Init
    
    Init_Block 1
    
    main
    
    Com_start.Enabled = True
    
End Sub

これでメインループの実装はOKです。

ここまで全て完了すれば、ユーザーフォームを起動して、バーが実際にキチンと動くかどうかテストしてみることができます。ユーザーフォームを起動して、コマンドボタンを押します。その後、矢印キーを押したときにバーが反応して移動するようになっていれば成功ですね。

今回もサンプルを用意してあります。
実際に動作するところを確認しながら、それを参考にがんばってみてください。



サンプルダウンロード ⇒ コチラよりダウンロードできます。(別館)



■格言

同期処理をしっかり実装する
構造体の要素の意味を考えて処理


バーが動くようになっただけでも、ぐっとゲームらしくなるから不思議ですね。


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