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Chapter.104 [ クリックゲーム9:サウンド処理の実装 ]

■サウンド処理で演出効果を強化する

前回の講座では、クリックの際にヒットマークが表示されるようにしました。これにより、クリックゲームとしての完成度が随分と上がったように思います。

クリックゲームは、その名の通り、クリックするという行為自体がゲーム最大の面白さです。ハエをクリックした瞬間に、ヒットマークという視覚的な効果があることによって、演出面がとても強化されるわけです。

今回は、ここにサウンド処理を追加して、クリックに聴覚から来る効果を加えます。さらに演出面が強化されること間違い無しです。

ちなみに、サウンド関連の処理に関しては、以前に講座内で何度か取り上げています。今回の講座は、以前の講座の内容と重複する部分がほとんどです。もし、詳しくサウンド関連の処理について知りたい場合は、以前の講座をじっくり読むことをオススメします。




■サウンド処理のおさらい

さて、それではサウンド関連処理のおさらいから始めましょう。

サウンドを再生するのは、VBAの基本機能だけでは残念ながら無理です。サウンドの再生にはAPIを使います。

サウンドを再生する方法にもいろいろありますが、本講座では、mciSendString を使っています。なぜ mciSendString を使うのかといえば理由はみっつあります。

第一に、その性能です。多重再生を行ったり、任意のタイミングでサウンドを一時停止したりと、多彩な機能を持っています。
第二に、扱いやすさです。この mciSendString というAPIは、文字列を用いて命令を送ることができます。そのため、非常に直感的な処理を行うことが可能です。
第三に、奥の深さ。これは初心者にはなかなか難しいのですが、このAPIはとても奥が深くて、その気になればかなりいろいろなことができます。いつかは自在に操れるようになりたいものですね。

さて、ご託はこれくらいにして、実際の処理を見ていきます。

mciSendString はAPIですから、モジュールの先頭部分に、APIの宣言文を記述しておく必要があります。宣言文は次のようになっています。

Declare Function mciSendString Lib "winmm.dll" Alias "mciSendStringA" _
(ByVal lpstrCommand As String, _
 ByVal lpstrReturnString As String, _
 ByVal uReturnLength As Long, _
 ByVal hwndCallback As Long) As Long

これはそのままコピーしてしまえば大丈夫。むしろ、下手に書き換えたりしてしまうとうまくいきませんので、そのままコピーして使いましょう。

mciSendString で扱えるサウンドファイルの形式は、wav、mid(midi)、mp3、などがあります。いずれも、同様の手順で処理することで再生が可能です。
再生には、まずファイルをオープンする必要があります。これには、『 open 』というコマンド文字列を使います。

Sub MCI_Open(FileName As String, AliasName As String)

    Dim P As String
    
    P = """" & ActiveWorkbook.Path & "\" & FileName & """"
    
    Call mciSendString("open " & P & " alias " & AliasName, vbNullString, 0, 0)
    
End Sub

このサブプロシージャは、指定されたファイルを、指定されたエイリアスでオープンするプロシージャです。エイリアスというのは、言うなれば名札のようなもので、開いたファイルを再生するときなどに使います。
例えば、『 WAVE 』というエイリアスでファイルをオープンしたとします。もし、このサウンドを再生したいと思った場合には、開く際に指定した『 WAVE 』というエイリアスを指定して再生すればいいのですね。

ちなみに、上で紹介している MCI_Open というプロシージャは、アクティブなブックの保存されているパスを基点にして処理しています。もし、同じフォルダにサウンドファイルが置かれている場合は、ファイル名だけを指定すれば簡単に開くことができます。

さて、開いたファイルを再生する前に、終了処理について触れておきます。
mciSendString で開いたファイルは、プログラムが終了する前に必ずクローズしなくてはならないというお約束があります。これには『 close 』というコマンド文字列を使います。

Sub MCI_Close(AliasName As String)

    Call mciSendString("close " & AliasName, vbNullString, 0, 0)
    
End Sub

サウンドファイルのクローズを行う際には、ファイル名ではなく、オープンしたときに指定したエイリアスを使います。上記のプロシージャは、エイリアスを文字列型の引数として受け取り、mciSendString を使ってサウンドファイルをクローズします。閉じるのは簡単ですね。

サウンドファイルを閉じることを怠ると、メモリリークを引き起こし深刻なエラーが発生する可能性もあります。必ず、クローズ処理を行うようにしましょうね。


■再生処理を仕込む

さて、それでは実際の再生処理を見てみましょう。
再生には、エイリアスを使います。これは開いたときに指定したエイリアスですね。

Sub MCI_Play(AliasName As String)

    Call mciSendString("play " & AliasName & " from 0", vbNullString, 0, 0)
        
End Sub

コードは比較的すっきりしていますね。事前にファイルをキチンとオープンできていれば、たった1行のコードで再生処理を行うことができます。

サウンドファイルの再生には、『 play 』というコマンド文字列を使います。さらに、『 from 0 』というオプションコマンドを付加することで、サウンドを必ず先頭から再生されるようにしています。

さて、開く、再生する、閉じる、このみっつのステップが理解できれば、自由自在に再生を行うことができます。今回のクリックゲームでは、クリックが発生した場合に、サウンドがなるようにしてみます。

再生に使うサウンドファイルは、私が自作したサウンドファイルである『 hit.wav 』と『 flap.wav 』のふたつです。これを開いて再生するということを想定して、次のコードを見てくださいね。

Private Sub UserForm_Initialize()

    Dim fObj As MSForms.Control
    
    With UserForm1
        .Width = 316.5
        For Each fObj In .Controls
            If Left(fObj.Name, 3) Like "Ima" Then
                fObj.Visible = False
            End If
        Next
    End With
    
    MCI_Open "files\hit.wav", "hit"
    MCI_Open "files\flap.wav", "flap"

    
End Sub

'------------------------------

Private Sub Lab_trans_MouseDown(ByVal Button As Integer, _
                                ByVal Shift As Integer, _
                                ByVal X As Single, _
                                ByVal Y As Single)

    MCI_Play "flap"
    Flys_Hit X, Y
    
End Sub

'------------------------------

Private Sub UserForm_QueryClose(Cancel As Integer, CloseMode As Integer)

    MCI_Close "hit"
    MCI_Close "flap"

    
    End
    
End Sub

前回までの講座内容に、サウンド関連処理を追加しました。ちなみに、上記のコードは全てフォームモジュールに記載される部分です。色が付いている部分が今回追加されたコードになります。

ユーザーフォームの起動( Initialize イベント)と同時にファイルを開き、クリックと同時にサウンドを鳴らしています。そして、ユーザーフォームが閉じる前( QueryClose イベント)にファイルを閉じるようにしていますね。

さらに、標準モジュールのコードにも、一箇所だけ追記します。

Sub Hit_Begin(hX As Single, hY As Single)

    With Hits
        .X = hX
        .Y = hY
        .Var = 0
        .Vis = True
    End With
        
    With UserForm1.Ima_hit
        .Left = Hits.X - Hits.W / 2
        .Top = Hits.Y - Hits.H / 2
        .Visible = True
    End With
    
    MCI_Play "hit"
    
End Sub

これは、ヒットマークを表示するプロシージャである Hit_Begin です。ヒットマークを表示するということは、確実にクリックがハエにヒットしているはずですよね。ですから、ここでサウンドを再生するようにしておけば、結果としてクリックがヒットした瞬間にサウンドが再生されているように感じます。


今回のクリックゲームの場合には、空振りした場合にもサウンドが鳴るようにしてあるので、クリックイベントのほうにもサウンド処理が記述されています。もしクリックがヒットしていた場合には、多重再生でふたつのサウンドがほとんど同時に再生されるわけですね。


■まとめ

さぁ、少し駆け足で見てきましたが、理解できたでしょうか。
サウンド関連の処理について初めて挑戦する場合は、以前の講座で詳しく解説しているので、そちらをきちんと読んでおいたほうがいいです。今回の講座ではある程度簡略化して説明しているので、ちょっとわかりにくい部分もあるかと思います。

基本的な使い方さえわかってしまえば、比較的簡単にサウンド処理は実現できます。難しそうに見えても、じっくり取り組んでいけば必ず実現させることができるはずです。諦めずにがんばってみてくださいね。

さて、サウンド処理も加わり、クリックゲームもいよいよ完成度が高くなってきましたね。次回は最後の仕上げとして、マウスカーソルの変更をやってみます。これが実装できれば、晴れてクリックゲームの完成となります。
今回のサウンド処理を実装させ、完成への準備をしっかり行っておきましょう。


今回もサンプルを用意しました。実際に音が再生される仕組みなどを観察するのに活用してください。



サンプルダウンロード ⇒ コチラよりダウンロードできます。(別館)



■格言

サウンド処理にはAPIを使う
開く、再生する、閉じる、のサイクルを理解して処理する


次回はいよいよクリックゲーム最終回です。もう一息、がんばりましょう。


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