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Chapter.93 [ タイピングゲーム8:キーダウンイベント ]

■ユーザーフォームの処理

今回はいよいよタイピングゲームの雛形が完成します。

今まで地道に作成したきた、問題文のソートを行う関数や、初期化の関数を使って、タイピングゲームの全体像をまとめていきます。
今回のタイピングゲームはユーザーフォームを使います。そして、使用するユーザーフォームの基本の部分は以前の講座で作成しましたね。覚えているでしょうか。(画面の設計については以前の講座を参照⇒Chapter90)

ユーザーフォームは、起動してから画面に表示されるまでの間に、Initialize イベントが発生します。ユーザーフォームが起動するときには、メモリ上にはすぐにユーザーフォームのデータが読み込まれるのですが、表示される直前にイベントが発生するのでしたね。

この Initialize イベントで、ユーザーフォームの表示などを初期化します。

Private Sub UserForm_Initialize()
    
    Lab_mondai.Caption = "PRESS ENTER"
    Lab_seikai.Caption = "PRESS ENTER"
    
End Sub

ユーザーフォームには、ラベルがふたつ配置されていました。それが『 Lab_mondai 』と、『 Lab_seikai 』です。
このふたつのラベルは、初期状態では『 Label1 』などの関係ない文字列が Caption プロパティに設定されているはずです。Initialize イベントをうまく利用して、ユーザーフォームが表示される直前に Caption プロパティを変更しておきます。


■タイピングゲームの処理

さて、ユーザーフォームを初期化して正しく表示することができれば、あとはゲームの処理を適切に呼び出すことで、ゲームができるようになります。

今回のタイピングゲームは、キーダウンイベント( KeyDown )を利用して、プレイヤーのキー入力を受け取ります。受け取ったキーの入力が正しいのかどうかを判断して、ユーザーフォーム上にあるラベルの表示を変更していきます。

大まかに、どのような手順でゲームが進むのか、それをまずはハッキリさせておきます。

ユーザーフォームの起動
    ▼
Initialize イベントを使って初期化
    ▼
エンターキーを押してもらう
    ▼
[ READY? ] ⇒ [ GO! ] という順番に文字を表示
    ▼
ゲームがスタート
    ▼
10問の問題をタイプ
    ▼
タイプが終わったら[ Clear ]を表示する
    ▼
少し間をおいて、かかった時間を表示する
    ▼
最初の状態に戻す

なんか、結構大変そうですね。でも、ひとつひとつやっていけば大丈夫。焦らず確実にこなしていきましょう。


ゲームの開始は、エンターキー( Enter )が合図になります。
キーが押される 』ということが合図になりますので、これはキーダウンイベントで検知します。

Private Sub UserForm_KeyDown(ByVal KeyCode As MSForms.ReturnInteger, _
                             ByVal Shift As Integer)
    
    If KeyCode = vbKeyReturn Then
        Lab_seikai.Caption = ""
        Game_Init
        Lab_mondai.Caption = "READY?"
        DoEvents
        Sleep 2000
        Lab_mondai.Caption = "GO!"
        DoEvents
        Sleep 2000
        Game_Flag = True
        Game_Time = GetTickCount
    End If
    
End Sub

ユーザーフォームの KeyDown イベントの処理です。

KeyDown イベントは、ユーザーフォーム上でキーの入力がされた瞬間に発生します。そして、KeyCode に、なんのキーが押されたのかが整数で入っている状態で発生します。この KeyCode の中身を調べれば、なんのキーが押されたのかがわかるのですね。

そして、黄色い文字で表示されている部分が、押されたキーがエンターキーかどうかを判断している部分です。 vbKeyReturn は、VBAにあらかじめ含まれている定数で、エンターキーのキーコードを表しています。実態としては『 13 』という数字と同じ意味があります。ですから、次のように書いても意味としては同じですね。

If KeyCode = 13 Then

ただ、このようにしてしまうと、あとから見たときに意味がわかりにくいですよね。最初のように定数を使って書かれていれば、エンターキーの判定をしているのだな、ということがわかりやすいです。状況にもよりますが、定数を使ったほうが見た目は綺麗に仕上がりますね。


■その他のキー入力に対処する

さて、ここまでは案外簡単なんですが、問題はここからです。

ここの部分は、まずは全体のコードを掲載してしまいます。これを見ながら、実際にどのように動いているのかを解説していきます。結構長いコードですが、びびってはいけません。落ち着いてみていけば大丈夫です。

Private Sub UserForm_KeyDown(ByVal KeyCode As MSForms.ReturnInteger, _
                             ByVal Shift As Integer)

    Dim Clear_Flag As Boolean
    
    Clear_Flag = False
    
    If Not Game_Flag Then
        If KeyCode = vbKeyReturn Then
            Lab_seikai.Caption = ""
            Game_Init
            Lab_mondai.Caption = "READY?"
            DoEvents
            Sleep 2000
            Lab_mondai.Caption = "GO!"
            DoEvents
            Sleep 2000
            Game_Flag = True
            Game_Time = GetTickCount
        End If

    Else
        If Str_Comparison(Problem(Problem_Number), _
                         Problem_Str_Count, _
                         Chr(KeyCode)) Then
            Problem_Str_Count = Problem_Str_Count + 1
            If Len(Problem(Problem_Number)) < Problem_Str_Count Then
                Problem_Number = Problem_Number + 1
                Problem_Str_Count = 1
                If Problem_Count < Problem_Number Then
                    Clear_Flag = True
                End If
            End If
        End If

    End If
    
    If Clear_Flag Then
        Game_Time = (GetTickCount - Game_Time) / 1000
        Lab_mondai.Caption = "!! Clear !!"
        Lab_seikai.Caption = "!! Clear !!"
        DoEvents
        Sleep 2000
        Lab_mondai.Caption = "Time:" & Game_Time & " Second"
        Lab_seikai.Caption = "Time:" & Game_Time & " Second"
        DoEvents
        Sleep 3000
        Lab_mondai.Caption = "PRESS ENTER"
        Lab_seikai.Caption = "PRESS ENTER"
        DoEvents
        Game_Flag = False
    Else
        Lab_mondai.Caption = Problem(Problem_Number)
        Lab_seikai.Caption = Left(Problem(Problem_Number), _
                                  Problem_Str_Count - 1)
    End If

    
    DoEvents
    
End Sub


さて、今回のコードは大分類で3つのフェイズに分かれています。それぞれ色を変えているので、それを参考に見てください。

まず、最初の黄色い文字の部分は、先ほどのエンターキーの判断をしている部分ですね。
ゲームがまだ開始されていないときに、エンターキーが押されていた場合にはここの部分が実行されます。

ここでは、Sleep を上手に使いながら、[ READY? ] ⇒ [ GO! ] という順番に文字を表示しています。それと同時に、ゲームの状態を表す Game_Flag True にして、ゲームの開始時刻を Game_Time に取得しています。
ここで Game_Flag True にしたので、以降は全て緑文字のところに処理が移るようになります。


さて、緑の文字のところはどのように処理されているのでしょうか。
まず、最初に出てくる Str_Comparison ですが、これは以前の講座で作成した、キーの入力が正しくできているのかをチェックする関数です。(文字列判定関数については以前の講座を参照⇒Chapter89)
この関数に、現在の問題文や、現在の文字位置、KeyCode から取得したキーの入力を渡すことで、正しくタイプできているかどうかをチェックできます。この関数が返してくる戻り値が、True なら正しくタイプできていたということであり、逆に False なら、全く違うキーが押されていたことになります。

Str_Comparison True を返してきたときの処理は、ちょっと紛らわしいですが落ちついて考えましょう。手順としては、次のようにしています。

正しくタイプしたので、文字数をカウントする
    ▼
問題文の文字数を超えているか調べる
(一文を全て打ち切ったかどうか調べる)
    ▼
文字数が超えていたら
    ▼
問題をカウントする
    ▼
現在の問題が、総問題数を超えているか調べる
    ▼
問題数が超えていたらゲームクリア

全部の問題をクリアしたら、ゲームのクリアを表す Clear_Flag True にします。こうしておくことで、次のフェイズでの処理が変わります。


さて、最後の水色文字の部分で、ユーザーフォーム上の処理を行っています。
先ほどの緑文字のところで、ゲームがクリアしているかどうかなどを調べましたね。その内容を継承しながら処理します。

ゲームをクリアしていた場合には、クリア処理を行います。クリアしていない場合は、ラベルの表示などを適宜更新しています。

水色の部分が終わったら、最後に DoEvents を呼び出していますね。こうしておくことで、確実にユーザーフォームの表示を更新しています。恐らく、構造上は DoEvents なしでも大丈夫だと思いますが、念には念をいれて、キチンと DoEvents を呼び出しておいたほうがいいでしょう。

これが、キーダウンイベントの全容です。


■まとめ

さて、かなり長い講座になりました。内容もかなり濃かったので、一発で完全に理解するのは難しいと思います。

ポイントとなるのは、ゲームの状況を正しく把握して、適切な処理を行うことです。
現在は、ゲームの開始前なのか、ゲームのプレイ中なのか。
問題は何問目で、何文字目なのか。
キーの入力は正しかったのか、間違っていたのかなど、それぞれに適切な判断が行われるようにうまく構造化しておくことが大事です。

サンプルを別館にアップしておきます。
実際に動作するサンプルを動かしてみましょう。そして、どうしてそのような結果が得られるのか、コードを紐解きながら解析してみましょう。そうやって繰り返し繰り返し分析をすることで、自分自身の実力も比例して上がっていきます。諦めずに根気よく挑戦することが大事です。


サンプルダウンロード ⇒ コチラよりダウンロードできます。(別館)



■格言

Initialize イベントの活用
KeyDown イベントを活用して処理
状況に応じて適切に処理する


次回からは拡張をやっていきます。
基本部分は今回のところで完成したことになりますね。


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