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Chapter.91 [ タイピングゲーム6:問題文のソート ]

■実装開始

前回の講座では、ゲームの画面を簡単に設計してみました。

問題文が表示されるラベルを配置して、その上に、透明な複製ラベルをぴたりと合わせることで、どの文字までタイピングできているのかがわかるような、そんな仕組みを実装させましたね。

タイピングゲームは、文字の入力を競ったり楽しんだりするゲームですから、極端な話、文字さえ表示できていれば最低限のことはできます。
ユーザーフォーム上のコントロールは今後適宜追加するとして、今回からは実際にゲームのコードを実装させていきましょう。

文字列とキーの入力が一致しているのかどうか調べるための関数は、以前の講座で既に作成しています。これにより、今回のタイピングゲームの核となる部分は出来あがっていると考えていいでしょう。

となると、今回からはゲームの全体像を意識しながら、ゲームの開始から終了までの、一連のプロセスを作っていくことになります。
難しく考えず、最初から地道に、しっかりとコードを書いていきましょう。


■問題の用意

さて、タイピングゲームにはいろいろな種類のものがありますが、今回のタイピングゲームは英単語を入力させるタイプのゲームにする予定でしたね。

実際にタイプする英単語は、プレイヤーが飽きてしまわないように、できる限りたくさん用意したほうがいいのですが、まずはテスト段階という事もあるので、私が無作為に選んだものを使っていくことにします。

ちなみに、英単語は以下の10種類を使うことにします。

問題文:英単語一覧

EXCEL
VBA
VISUAL
BASIC
APPLICATION
GAME
SHADOW
SLASH
MICROSOFT
OFFICE

さて、この問題文ですが、これはワークシートに記述しておくことにします。

ゲームを作っているExcelファイルの、一番最初のシートに問題文を記入しておきましょう。

520.gif

ゲームの処理の中では、このワークシートに記述された情報を取得して、タイピングゲームの問題文として処理します。問題文は、今回は10種類となっています。ただ、10種類よりも、問題文を増やしたくなることもあるかもしれません。それを踏まえて、問題文の処理についてもう少し見てみます。


■並び替える

さて、問題文を用意したのはいいですが、これをこのままゲームに取り込んでしまったら、問題の順番が毎回同じになってしまいます。これはいくらなんでもまずいですよね。
ゲームをやるたびに、問題文がランダムに並び変わっていないと意味がありません。

そこで、問題文をランダムに並び替える方法から見てみましょう。

まず、ランダムに並び替える、というところから『 Rnd 関数 』が思い浮かびます。しかし、これをどのようにして使えば問題文を並び替えることができるのでしょうか。

考え方としては、問題文のそれぞれに、まず Rnd 関数で生成した乱数をそのまま当て込みます。Rnd 関数は、0 ~ 1 未満の範囲でランダムに数字を返してくる関数です。これをそのまま各問題文に対して割り振っていきます。

Sub Problem_Sort()

    Dim L As Long
    
    Randomize
    
    For L = 1 To 10
        Cells(L, 2).Value = Rnd
    Next
    
End Sub

簡単ですね。

For 文を用いて、セルに順番に乱数をそのまま書き込んでいます。これを実行した結果が次のような画面になっているはずです。

521.gif

さぁ、問題文の隣に乱数を入れたら、次はどうすればいいのか想像がつくでしょうか。

次は、この乱数を元に問題文を並び替えます。Excel を普段からよく使う人なら、Excel に付属している並び替え機能を知っていると思います。もちろん、この並び替え機能はVBAから呼び出して使うことができます。

そこで、先ほど振られた乱数を基本にして、問題文の部分を並び替えてしまいます。このようにすればランダムに振られた乱数の値によって、毎回並び順がランダムに変わるというわけです。

Sub Problem_Sort()

    Dim L As Long
    
    Randomize
    
    For L = 1 To 10
        Cells(L, 2).Value = Rnd
    Next
    
    Range(Columns(1), Columns(2)).Sort key1:=Cells(1, 2), _
                                       order1:=xlAscending

    
End Sub

最後の緑色の文字で表示されている部分が、並び替えを行っている部分です。

Range(Columns(1), Columns(2)) 』という表記は、ちょっと紛らわしいですが、これは『 セルの1列目から2列目まで 』を表しています。そして、並び替えの命令を出しているのが『 Sort key1:=Cells(1, 2), order1:=xlAscending 』の部分です。 

Sort メソッドは、Excel が持っている並び替え機能を呼び出します。そして、並び替えの基準となる列、その並び替えの方法、を指定して使います。
今回の場合、乱数の振られた列を基準に並び替えを行うので、『 key1 』という引数に、2列目にあるセルを指定していますね。
そして、『 order1 』という引数には『 xlAscending 』が指定されていますね。これは、並び替えを『昇順』で行うことを示します。『昇順』の場合には『 1, 2, 3,…… 』という順番ですね。
もし、並び替えの順序を『降順』にしたい場合には『 xlDescending 』を使います。これを指定した場合には『 9, 8, 7,…… 』という順序で並び替えが行われます。

さて、正しく並び替えができると、次のような画面になります。キチンと乱数をもとに並び替えが行われ、問題文もランダムに並んでいますよね。

522.gif


■問題文の数に対応する

さて、問題文をランダムに並び替える方法はわかりましたね。

先ほども書きましたが、今回はあくまでも、問題文が10種類というふうに限定して書いています。これを、問題文が増えても大丈夫な仕様に変更しておきましょう。問題文が10種類しかないというのは少なすぎますので、余裕のあるときに随時追加すればいいようにしておきます。

Sub Problem_Sort()

    Dim L As Long
    Dim LastCell As Long
    
    Randomize
    
    LastCell = Cells(65536, 1).End(xlUp).Row
    
    For L = 1 To LastCell
        Cells(L, 2).Value = Rnd
    Next
    
    Range(Columns(1), Columns(2)).Sort key1:=Cells(1, 2), _
                                     order1:=xlAscending
    
End Sub

さて、色つきになっている部分をよく見てください。

まず、新しくひとつ変数を宣言していますね。プロシージャの開始と同時に、その新しい変数に何かを取得しています。

LastCell = Cells(65536, 1).End(xlUp).Row

ここでは、『 1列目、最下セルの行 』を取得しています。

ワークシートのセルは、Excel2003 までのバージョンでは 65536行までしかありません。『 Cells(65536,1) 』というのは、その一番下のセルを表しています。
そして、そこからさらに『 .End(xlUp).Row 』と続きます。

End プロパティを使うと、セルの領域の終端を取得することができます。
今回の場合は、『 Cells(65536,1) 』から、『 End(xlUp) 』方向に向かって終端セルを検索し、見つかった終端セルの『 Row 』を取得しています。

イメージとしては、ワークシートの一番下のセルから、ずーっと上方向に調べていき、何かが入力されているセルが見つかったら、そこの行数を取得する、という感じです。

問題文は、ワークシートの1列目に書かれています。今は10種類しかありませんから、変数 LastCell には 10 が取得されます。もしも今後、問題文を増強して20種類にした場合には、変数 LastCell には20が取得されます。

このように、どんな問題数でも同じように対応できるようにしておくことで、後から問題文をカスタマイズするのが簡単になりますね。


■まとめ

さて、どうでしたか。結構難しかったですね。

今回の仕様を実装できれば、問題文のランダムな並び替えと、問題文の数が何問でも対応できるという仕組みの両方を、一度に実装できたことになります。

以前から何度も書いていますが、汎用的に、将来性を考えてコードを記述することは非常に大事です。問題文が何個に増えても大丈夫なようにしておけば、問題文を増やすたびにコードの修正を行う必要はなく、効率的に開発作業が行えるはずです。



■格言

乱数を使ってランダム並び替え
Endプロパティで終端セルを取得
将来性を考えた設計を心がける


かなりいい形でまとまってきました。あと少しです。


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