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Chapter.89 [ タイピングゲーム4:判定関数 ]

■関数を作る

前回までの講座内容で、文字列の照合をすることはできるようになりました。今回はこの仕組みを応用しながら、文字列の照合を一手に引き受ける関数を作成しましょう。

文字列の照合作業を関数化しておくことで、様々な恩恵を受けられます。

関数化することで得られる恩恵のもっとも大きなものとしては、その汎用性が挙げられます。一度作成した関数は、他のプログラムに応用することが容易です。もし他のゲームで文字列の照合が必要になったときは、以前に作っておいた関数を使い回しすることができるのですね。
文字列の照合部分が本体と一緒になっていると、そう簡単には切り離せません。最初から単独の関数として用意しておくことによって、あとから使い回すことが簡単になるわけです。

そして、もうひとつ、関数化することによって大きな恩恵を受けられる部分があります。
それは、バグ取りなどのメンテナンスに関わる利点です。

メインで動いているプロシージャの中に、全ての処理を詰め込んでしまうと、何かバグがあったときにどこが原因なのか特定するのが難しくなります。これは本体のメインプロシージャが巨大になればなるほど顕著になります。

しかし、各処理を個別の関数に分けておくことで、バグなどに対処するのが比較的容易になります。エラーやバグが起きたとき、どの関数でそれが起こっているのかさえ特定できれば、あとは原因の究明や修正を行うだけです。これはプログラムの全体像をしっかりと把握しながら作成していなければ無理です。始めから、関数化することを前提に、効率よくプログラムを記述していくことが必要です。


さて、関数化のメリットがわかったところで、早速関数を作成について考えてみましょう。


■関数を構成する要素

関数は、原則として次のような特徴を持っています。

引数を受け取り、その内容を元に何かしらの処理を行い、結果を返してくる命令の集合体

なにやら難しくなっちゃいましたが、要するに、引数を受け取って処理を行い、その結果どうなったのかを呼び出し元に教えてくれるプログラムのことです。

引数とは、呼び出しもとのプロシージャと、呼び出されたプロシージャ(関数)の間でデータをやり取りするための仕組みです。プロシージャ A さんから、プロシージャ B さんに、メモを手渡す、みたいなイメージですね。

プロシージャ A さんは、プロシージャ B さんにお願いしたいことをメモに書いておきます。そのメモを渡せば、プロシージャ B さんが適切に処理を行い、その結果どうなったのかをプロシージャ A さんに教えてくれるわけです。ちなみに、このどうなったのかという結果のことを戻り値といいますね。

今回作成する関数にあてはめてみると、次のようになります。

プロシージャ A
    メインとなるプロシージャ

プロシージャ B
    文字列照合プロシージャ

引数として渡すデータ
    どの文字列の、
    何文字目の文字と、
    キー入力された文字が、
    一致しているかどうか

結果として返すデータ
    照合した結果が一致したかどうか


これを踏まえて、関数を作成します。


■コードを記述する

さぁ、いよいよコードの記述です。

ポイントとなるのは、引数から受け取ったデータを上手に処理し、スムーズに結果を返す仕組み作りです。今回の関数に必要な引数は、次の 3 つです。

・対象となる文字列
・文字列の何文字目と比較するのか
・キー入力された文字

この 3 つの引数を関数に渡します。

そして、関数はこれらの情報を元に、文字列の照合を行います。その結果、文字列が一致していたのかどうかを呼び出し元に返します。

ここまでは大丈夫ですか? とりあえず、この条件を満たした関数の雛形を作ってみましょう。

Function Str_Comparison(mStr As String, _
                        Number As Long, _
                        kStr As String) As Boolean

End Function

これが関数の雛形です。

注目するべきなのは、文字の色が付いている部分です。

まず最初は、mStr ですね。これが処理する対象となる文字列を渡す引数です。タイピングしなければならない文字列を渡せばいいのですね。例えば今タイピングしなければならない問題が『 HELLO 』だとしたら、これをそのままこの引数に渡せばいいのです。

次は、Number です。ここには、今何文字目の部分を処理しようとしているのかを渡します。ここでは数値のデータを渡す必要がありますから、型が Long 型になっていますね。これもポイントです。

さて、みっつめの引数が、kStr です。ここには、キーの入力から取得した文字列を渡します。キー入力された文字列は常に一文字なので、ここには原則として一文字分の文字データが入ることになります。

そして最後のポイントが、Boolean と書かれている部分です。これは、この関数が結果として Boolean 型のデータを返すことを表しています。
もし、文字列を照合した結果が、『一致している』だった場合には True を、『一致しなかった』の場合には False を返すようにします。


さて、それでは肝心の中身です。

Function Str_Comparison(mStr As String, _
                        Number As Long, _
                        kStr As String) As Boolean

    Dim S As String
    
    S = Mid(mStr, Number, 1) '①
    
    S = StrConv(S, vbUpperCase) '②
    
    Str_Comparison = S Like kStr '③
        
End Function

これが文字列照合関数の全容です。

まず①の部分で、mStr の中から特定の一文字を抜き出します。抜き出した結果は、ここでいったん変数 S に入ることになります。

そして次に②の部分で、変数 S の中に入っている文字列を、大文字のアルファベットに変換しています。こうすることで、変数 S の中の文字列が大文字アルファベットだろうと小文字アルファベットだろうと、同じように処理することができます。

そして最後に③の部分。
ここでは、①、②、と処理してきた変数 S の中身と、キーから入力された文字列とを比較しています。もしも双方の文字列が一致していれば True が、一致していなければ False が結果として返ることになります。

この関数を呼び出すときの例が次のコードです。

Sub tes()

    Dim B As Boolean
    
    B = Str_Comparison("ExcelVBA", 3, "C")
    
    MsgBox B
    
End Sub

これを実行すると、 True というメッセージが出ます。

『 ExcelVBA 』という文字列の中の『 3 文字目 』と、『 C 』という文字列が一致しているかどうかを調べます。
実際には、『 ExcelVBA 』の3文字目は小文字の c です。しかし、関数の中で一度大文字のアルファベットに変換しているので、結果としては True が返ってくるわけですね。

これで、文字列照合関数の完成です。

関数が出来上がったので、今回作成するタイピングゲームの中枢は出来上がったも同じです。次回からはゲームの大枠を作っていきましょう。



■格言

引数と戻り値を持つのが関数
関数内で文字列を変換して処理


かなりいい感じになってきましたね。



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