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Chapter.127 [ クラスモジュール:イベント拡張編 ]

■オブジェクトとイベント

前回は、プロパティについて取り上げました。プロパティと通常の変数との違いや、プロパティを独自に実装するために必要なプロパティプロシージャの解説などを行いました。

オブジェクトには様々な特徴があります。オブジェクトの持つ属性や特徴を示すプロパティ、オブジェクトの動作などを定義するメソッド、そしてユーザーからのアクションを受け取るイベントなどがそれにあたります。

メソッド、プロパティと解説してきましたので、今回はイベントについて解説したいと思います。オブジェクトにとって大切な概念であるイベントへの理解を深めることで、ゲーム以外の分野でもイベントを用いた効率よい処理が実現できると思います。

イベントとは、簡単に言うとオブジェクトが発行する信号のようなものです。何かしらの処理やユーザーの動作が検知された瞬間に、オブジェクト自身が信号を発信し、何かが起こったということを知らせます。
たとえば、ユーザーフォーム上に配置されたコマンドボタンがクリックされれば、コマンドボタンのクリックイベントが発生します。これは、コマンドボタンというオブジェクトが、クリックというユーザーの動作を検知し「クリックが発生したよ」という信号を発信していることと同じです。信号を受信した際にどのような処理を行うかをあらかじめ記述しておくことで、ボタンのクリックと同時にゲームの処理を開始するなどの様々な処理を実現できます。

もう少し深く考えてみると、イベントとは、オブジェクトからオブジェクトに対して発信されるものであるということがわかります。思わずクエスチョンマークが浮かんでしまう人もいるかもしれませんが、注意深く、よく考えてみましょう。

先ほどのコマンドボタンの話を例にとると、コマンドボタンが発信したイベント通知を受け取るのはユーザーフォームです。よく、考えてみてください。コマンドボタンのイベントプロシージャは、いったいどこに記述しますか? フォームモジュールですよね。このことからもわかるように、イベント通知を発信するオブジェクトだけがあってもイベント機能というのはうまく働きません。その通知を受け取るオブジェクトがあって初めてイベントが実装できるのです。


■イベントの拡張

イベントがどんなものか理解できても、それが何の役に立つのかと言われても、いまひとつピンとこないという人も多いと思います。今回は、既存のイベントを拡張することで様々な利点があるということを具体的に体感してもらいたいと思います。

次のような場面を想像してみて下さい。

1.たくさんの職業が存在するRPGを作ろうとしている
2.職業を選択する画面を設計しようとしている
3.職業を選択する動作はオプションボタンで実装する
4.選択された職業の画像をリアルタイムに変化させたい

オプションボタンと外見の非常に似ているコントロールにチェックボックスがあります。チェックボックスは同じエリアのなかで複数選択が許されているのに対し、オプションボタンはどれかひとつしか選択できません。今回のようにどれかひとつだけを選択させたい場合には、チェックボックスよりオプションボタンのほうが適しています。
そして今回のキモは先ほどの仕様のうちの4番目、選択された職業の画像を表示させるという部分の実装です。

職業の選択は、先ほどから書いているようにオプションボタンで行います。オプションボタンが選択されてオンになったときや、他のオプションボタンが選択されたことによって選択状態が解除されたときなどには、オプションボタンの Change イベントが発生します。この Change イベントに連動して、自動的に表示される画像が変更されたら非常に便利ですね。今回はこれをやってみましょう。

まずはユーザーフォームの準備です。
あたらしくユーザーフォームを挿入して、各種コントロールを配置していきます。

740.png

かなりたくさんのコントロールを配置することになるので大変ですが、根気良く配置し、コントロールの名前やプロパティなどを適宜変更しておきます。今回は別館で公開しているRPGキャラクター画像を使っています。

さて、ユーザーフォームの準備ができたところで、いよいよコードを記述していきます。やりたいことは、オプションボタンのチェンジイベントと連動して、自動的に画像が切り替わるという仕組みの実装でしたね。

普通に考えると、オプションボタンのチェンジイベントにそのまま次のようなコードを書けばいいような気もしますね。

Private Sub OptionButton1_Change()

    Ima_Screen.Picture = Image1.Picture

End Sub

上記のコードで確かに目的の動作は実装できます。しかしこのような実装方法では、OptionButton1 Change イベントが発生した場合に限り、このコードが実行されます。つまり、ユーザーフォーム上に存在する全てのオプションボタンに同様の動作をさせようと思ったら、それぞれのオプションボタンごとに、先ほどのようなイベントプロシージャを記述しなければならないことになります。これは非常に無駄ですね。
もし、たったひとつのプロシージャで、全てのオプションボタンに同様の動作を実装できるとしたらどうでしょう。クラスモジュールを用いればそれが実現できるのです。


■クラスモジュールの準備

それではクラスモジュールを用いた実装を考えてみましょう。
まずはクラスモジュールを挿入し、名前を変更します。今回はオプションボタンのチェンジイベントに連動した動作を定義しますので、Class_Option という名前にしました。

741.png

続いて、挿入したクラスモジュールに次のように記述します。

Public WithEvents OPT As MSForms.OptionButton

ここでは WithEvents という見慣れないキーワードが出てきましたね。このキーワードは、宣言されたオブジェクトがイベントに関わる処理を行うことができるようにするためのキーワードで、宣言セクションでのみ使用することができます。

上記のコードでは、OPT という名前のオプションボタン型オブジェクト変数を宣言していますね。MSForms.OptionButton という型で宣言されていることからもそれがわかります。これはいわゆるフォーム上に配置することができるオプションボタンを表す変数の型です。このような変数の型で宣言されている OPT は、基本的にオプションボタンが持つプロパティやメソッドをそのままそっくり持っています。そしてイベント処理を行うために、WithEvents キーワードを付加しているのですね。

上記の一文を記述したクラスモジュールでは、オブジェクトボックスから先ほど宣言した OPT を選択することができるようになります。ためしに選択してみると、次のようになります。

742.png

    ▼

743.png

フォームモジュールのときと同じように、勝手にイベントプロシージャが挿入されましたね。オプションボタンの既定のイベントは Click です。OPT は先ほども書いたようにオプションボタンの型で宣言されています。ですからオプションボタンの既定のイベントである Click が自動的に挿入されたのですね。

今回は、Click ではなく Change イベントを用いた処理を実装したいわけですから、プロシージャボックスを使用して OPT のチェンジイベントプロシージャを挿入しておきましょう。

744.png

このチェンジイベントに目的の処理を記述していきます。オプションボタンの値に変化があった場合に、もし変更後の Value プロパティが True だった場合には、対応する画像を Ima_Screen に設定するようにします。それが下記のコードです。

Private Sub OPT_Change()

    Dim S As String
    
    If OPT.Value Then
        S = Replace(OPT.Name, "OptionButton", "") '①
        With UserForm1
            .Ima_Screen.Picture = .Controls("Image" & S).Picture '②
            .Label1.Caption = OPT.Caption '③
        End With
    End If
    
End Sub

順番に見ていきましょう。
まず①の部分では、Replace 関数を使って文字列型変数に何かを取得していますね。OPT はオプションボタンでしたね。先ほどユーザーフォームにコントロールを配置したときのことをよく思い出してみてください。配置したオプションボタンはどれも、OptionButton という文字列+連番、という名前になっていましたね。この①の部分では、このオプションボタンの名前から OptionButton という文字列を抜き取り、数字の部分だけを抜き出して変数 S に代入しているのですね。
そしてここで抜き出された数字のデータを使って、②の部分で目的の画像を Ima_Screen に設定しています。オプションボタン同様、各職業の画像を設定した Image コントロールも Image という文字列+連番になっていたのはそのような理由からです。
③の部分で同時にラベルのキャプションも変更し、これでチェンジイベントの処理は完了です。

さて、ここで一度状況を整理しましょう。
今回作成したクラスモジュール Class_Option は、オプションボタンをカスタマイズするために用意したクラスです。
このクラスモジュール内で OPT というオブジェクト変数を宣言し、WithEvents キーワードを用いてイベントに対応できるようにしましたね。そして、OPT のチェンジイベントとして、先ほどのプロシージャを記述しました。

今までの行程が、いったい何を表しているのか皆さんはイメージできるでしょうか。以前の講座で何度も書いたように、クラスモジュールに記述するのはあくまでもオブジェクトの設計図です。ただ今回の場合は、あらかじめオプションボタン型で宣言されたオブジェクトを利用しています。これは言うなれば、既存のオブジェクトであるオプションボタンを、自己流にカスタマイズしていることと同じですね。

重要なことは、このクラスモジュールに記述した設計図は、あくまでも設計図にしか過ぎないということです。ユーザーフォーム側にコードを記述し、この設計図を活用できるようにしなければ意味がありません。つまり、実際のオブジェクトに、この設計図どおりのカスタマイズを施す作業が必要なのです。


■フォームモジュールの準備


さて、続いてはフォームモジュール側の準備をしていきます。先ほどクラスモジュールに記述した設計図を、実際にフォームの中に配置されているオプションボタンに割り当てるコードを追加します。

ちょっと紛らわしいコードになりますので、先にコードを示します。

Private MyOPT(9) As Class_Option '①

Private Sub UserForm_Initialize()
    
    Dim L As Long
    
    Me.Width = 260
    
    For L = 0 To 9
        Set MyOPT(L) = New Class_Option '②
        Set MyOPT(L).OPT = UserForm1.Controls("OptionButton" & L + 1) '③
    Next
    
End Sub

これはユーザーフォームの Initialize イベントです。つまり、ユーザーフォームが表示される直前に発生するイベントですね。ここで、クラスの設計図にのっとりオプションボタンをカスタマイズする作業を行ないます。

まず、①を見てください。これはモジュールの宣言セクションに記述します。配列変数 MyOPT は、変数の型が Class_Option となっています。つまり、先ほど記述したクラスモジュールの名前ですね。どの設計図を使う予定なのかを、あらかじめ変数の型という形で示しておくわけです。

そして、②です。この部分で、実際に設計図からオブジェクトのインスタンスを生成しています。New キーワードを使って MyOPT Class_Option の実体を与えているのですね。
New キーワードは、設計図(雛形)から、新しくオブジェクトを生成することができます。ここで生成されたオブジェクトのことを一般にインスタンスと呼びます。インスタンスを生成する……と言えば、一般にはこの一連の作業のことを指すことが多いです。

さて、続いて③ですね。ここで、生成されたインスタンスにオプションボタンを割り当てています。ちょっとわかりにくいかもしれませんが、②の部分で生成したインスタンスは、あくまでも Class_Option のインスタンスです。そして、その Class_Option のなかで定義されている OPT に対して、ユーザーフォーム上に設置されているオプションボタンを割り当てているわけです。

この一連の作業を経てユーザーフォームが表示されると、見た目は普通のオプションボタンですが、きちんと Class_Option の特性を持ったカスタマイズ済みオプションボタンが表示されます。これらのオプションボタンをクリックして選択状態を切り替えると、リアルタイムにイメージコントロールの画像が更新されます。


■まとめ

クラスモジュールに記述されたたったひとつのプロシージャを用いて、複数のコントロールに共通の挙動を与えることができました。それぞれのコントロールごとにイベント関連のプロシージャをひとつひとつ記述していくよりも、クラスモジュールを用いて一括で管理していくほうが様々な面でメリットを得られます。

純粋に、たくさんのプロシージャを記述しなくても済みますし、将来的にコントロールの数が変更された場合にも、無駄なコードを大量に書き足す必要はありません。せいぜいループ処理の回数を変更する程度のことで済みます。
そして、最大のメリットとなるのはコードの修正などに対するメンテナンス性の高さです。コントロールの挙動を変更したいと考えたとき、それぞれのコントロールごとにプロシージャを記述していた場合には、その全てをひとつひとつ変更していかなければなりません。一方、クラスモジュールを使ってその挙動を制御している場合には、対象となるクラスモジュールのプロシージャを修正するだけで、全てのコントロールの動作を一括して変更することが可能です。
ゲームの開発に限らず、プログラムとは日々メンテナンスされ変更・修正されるものです。クラスモジュールを用いてそれらを管理することで、手間の軽減や可読性の向上が可能になるのです。

クラスモジュールというと、何に使うのかよくわからないという人も多いと思います。ここ数回にわたって講座で解説してきましたが、正直、利便性がいまひとつピンと来ないという人もいるでしょう。
しかし、今回紹介したような既存のコントロールをカスタマイズする方法は意外と利用する場面が多くあります。また、それほど難解でもありません。注意深く、ゆっくり理解していけば必ず誰でも活用できると思います。焦らず、そして諦めず、がんばってみてほしいと思います。

実際に動作するサンプルを別館に用意しておきます。
サンプルを参考にしながら、クラスモジュールの仕組みを理解してみてください。


サンプルダウンロード ⇒ コチラよりダウンロードできます。(別館)


■格言

クラスモジュールでコントロールを管理
一括修正も思いのまま


どうしてもとっつきにくい印象のクラスモジュール、うまく活用できれば強力な武器になります。がんばりましょう。


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Chapter.128 [ クラスモジュール:イベント自作編 ]

■イベントは自作できる?

前回の講座では、既存のコントロールのイベントをうまく活用しカスタマイズすることで、コントロールを擬似的に配列化して管理することができるという内容を解説しました。
クラスモジュールを用いてコントロールを管理することによって、修正や変更がしやすくなるだけでなく、トータルに見てコードの量を大幅に削減し、可読性の優れた記述ができるのでしたね。

クラスモジュールはどうしても難しいイメージがつきまとうため、なかなか活用されていないのが現実です。それに、なければないでプログラミングができてしまうことも、いまひとつ浸透していない原因でしょう。しかし前回のようなコントロールの疑似配列化など、クラスモジュールでなければ実現できないテクニックが存在するのも事実です。覚えておいて損をすることはないですから、興味のある人はしっかり習得しておきましょう。

さて、今回は前回に引き続きイベントを扱います。前回との違いはと言えば、前回がイベントの拡張(カスタマイズ)であったのに対し、今回はイベントの自作という今までにない新しいチャレンジになることです。

そもそも、イベントを自作することに、なにか意味があるのでしょうか。イベントを自作したからといってどんな利点があるのか、なかなかすんなりイメージするのは難しいでしょう。実際私も、イベントを自作しようと思ったことなんてほぼありませんでしたし、絶対にイベント自作が必要な場面っていうのが思いつきませんでした。

極論を言ってしまうと、イベントを自作しなければならないシーンというのは、ほぼ存在しません。クラスモジュールそのものがそうであるように、なければないで、どうにかなってしまうのが現実でしょう。
ただ、イベントを自作する仕組みは確かにあるのです。それを体験しないのも、なんとなく勿体無い気もしますね。それに、知っていればいつか活用する場面が出てくるかもしれません。そんなわけで今回は、イベント自作に取り組んでみることにしましょう。


■おみくじクラス

イベントを自作するにあたり、今回は「おみくじ」をクラスによって実装したいと思います。おみくじクラスの仕様は次のようになります。

おみくじクラスはひとつのプロパティを持つ
そのプロパティの値が変更されたときイベントが発動するようにする
フォーム上のコマンドボタンが押されるとプロパティが変更される
イベントによって5種のくじ結果がランダムに表示される

こんな感じですね。

まずは、おみくじの結果などを表示するためのユーザーフォームを準備します。こちらはかなり簡素でいいでしょう。

750.png

今回はコントロールの名称などは特に変更せず、そのままいきます。数も少ないですし、そのままでも特に問題ないでしょう。

次にクラスモジュールを準備します。クラスモジュールを挿入し、名前を変更し Class_Oracle としておきます。これで下準備は完成、さっそくコードを記述していきましょう。


■イベント名を決めて宣言する

クラスモジュールの宣言セクションには、イベントの名前を宣言する必要があります。これから作成しようとしているイベントに名前をつけ、次のように宣言します。

Public Event イベント名()

Event キーワードに続けてイベント名を記述します。イベントには、引数を持たせることもでき、引数を持たない場合でも空の括弧をつけて宣言します。
え? イベントに引数なんてあったっけ? と思った方は、マウス関連のイベントなどを思い浮かべてみるといいでしょう。例えばマウスムーブイベントはマウスなどのポインティングデバイスによってカーソルが動いたときに発生するイベントですが、イベントが発生した時点でのカーソルの座標があらかじめセットされた状態で呼び出されます。イベントには、引数を通して値を渡す機能もあるわけですね。

そしてもうひとつ重要な点として、イベントの宣言は必ず Public で行ないます。これはなぜでしょうか。
イベントとは、クラスモジュールの外側で検知され発信されるものです。クラスモジュール内部でしか適用されないようなスコープで宣言していては、イベントがイベントたる意味がなくなってしまいます。イベント=パブリックと、決め打ちで覚えてしまって差し支えないでしょう。

今回のおみくじクラスでは、おみくじを引く……つまり、Pull という名称のイベントを実装したいと思います。その場合は次のように書けばいいですね。

Public Event Pull()



■プロパティを用意する

さて、おみくじクラスにはプロパティをひとつ実装すると先ほど書きましたね。続いてはそちらをささっとやってしまいましょう。
クラスモジュールにおけるプロパティの実装は若干わかりにくくなっていましたね。もし不安があるという人は、事前に以前の講座で復習することをオススメします。(参考:Chapter.126 [クラスモジュール:プロパティ編]

クラスモジュールの宣言セクションには、モジュール内でプロパティの値を保持する変数 Paper を宣言しておきます。そしてプロパティの名称は Written とし、Property LetProperty Get の両プロシージャを実装します。

Public Event Pull()
Private Paper As Long

Public Property Let Written(V As Long)

    Paper = Int(Rnd() * (V + 5))
    Paper = Paper Mod 5
    RaiseEvent Pull
    
End Property

Public Property Get Written() As Long

    Written = Paper
    
End Property

プロパティ Written に値がセットされると、セットされた値をもとに乱数を生成し、それをプロパティの値として最終的に変数 Paper に入れておきます。もし、プロパティへの参照があった場合には、この変数 Paper の値を返してやればいいわけですね。

さて、ここで見慣れないステートメントが出てきていますね。これが今回の肝、まさにイベントを発生させている部分です。
RaiseEvent ステートメントに続けて、発生させるイベント名を記述します。今回の場合は Pull イベントがこれにあたりますね。このコードが実行されると、そこでイベントとして検知され通知されます。つまり、イベントを発生させたい箇所に、RaiseEvent を使えばいいわけですね。今回の場合はプロパティに値がセットされたときイベントが発生するようにします。ですからこの場所に RaiseEvent が記述されているわけです。


■フォームモジュール側の処理

さて、続いてはフォームモジュールに記述するコードを見ていきましょう。
フォームモジュールには、全部で三つのプロシージャが記述されます。いったいなんのプロシージャか、想像つきますでしょうか。

ひとつ目は、ユーザーフォーム自体の Initialize イベントプロシージャです。ここで、Class_Oracle のインスタンスを生成しておきます。
ふたつ目は、コマンドボタンの Click イベントプロシージャです。このプロシージャのなかで、生成したインスタンスのプロパティを設定するようにします。
みっつ目は、先ほど自作したイベントである Pull イベントのプロシージャ。実際にこの自作のイベントが発生した際に、どのように動作するのかを記述します。

さて、そこまでを踏まえて、次のコードを見てみましょう。

Private WithEvents ORCL As Class_Oracle '①

Private Sub UserForm_Initialize()

    Set ORCL = New Class_Oracle '②
    
End Sub

Private Sub CommandButton1_Click()

    If IsNumeric(TextBox1.Value) Then '③
        ORCL.Written = TextBox1.Value '④
    Else
        MsgBox "数値を入力してからボタンを押して下さい"
    End If
    
End Sub

Private Sub ORCL_Pull()

    Dim S As String
    
    Select Case ORCL.Written '⑤
        Case 0
            S = "大凶"
        Case 1
            S = "凶"
        Case 2
            S = "吉"
        Case 3
            S = "中吉"
        Case 4
            S = "大吉"
    End Select
    
    Label1.Caption = S
    
End Sub

少々長いですが、順番に見ていきましょう。
まず①ですが、ここではイベントを検知するために WithEvents を使っています。これは前回までの講座で解説しましたね。そして②で、ユーザーフォームの起動と同時に、Class_Oracle のインスタンスを生成しています。

③と④は、コマンドボタンのクリックイベント内部の処理です。③では、テキストボックスに入力されている値が、数値として評価できるかを調べています。IsNumeric 関数は引数の内容が数値として評価できる場合には True を、それ以外の場合には False を返しますので、これを判断基準にして処理を分岐しています。
テキストボックスの内容が数値である場合には、Class_Oracle のインスタンスである ORCL Written プロパティに数値を設定します。この瞬間に、プロパティが設定されようとするわけですから、クラスモジュールに記述した Property Let プロシージャが呼び出されて処理が行なわれます。

クラスモジュール内で RaiseEvent ステートメントによって Pull イベントが呼び出されると、処理は⑤のほうへ移っていきます。⑤では、ORCL Written プロパティを参照し、その値によって処理を分岐、最終的に変数 S になにかしらの結果となる文字列を設定し、最後にユーザーフォーム上のラベルコントロールのキャプションが変更されます。


■まとめ

さて、最後はかなり駆け足になりましたが、理解できたでしょうか。
ちょっとわかりにくい面もありますので、最後にもう一度、今回のサンプルの流れを整理してみましょう。

ユーザーフォームが起動
    ▼
Initialize イベントが発生しインスタンスを生成
    ▼
ユーザーフォームが表示される
    ▼
ユーザーがテキストボックスに数値を入力
    ▼
ユーザーがコマンドボタンをクリック
    ▼
コマンドボタンのクリックイベントが発動
    ▼
クリックイベント内部で Written プロパティを変更
    ▼
Property Let プロシージャが発動
    ▼
Property Let 内部で RaiseEvent Pull
    ▼
Pull イベントが発動
    ▼
Pull イベント内部で Written プロパティを参照
    ▼
Property Get プロシージャが発動
    ▼
Pull イベントの効果でラベルキャプションが変更

使う側の目線で見ると一瞬のことなんですが、クラスモジュールとフォームモジュールの間では、このような目まぐるしい処理の遷移が起こっています。一見すると、複雑で難解な仕組みに感じてしまうかもしれませんが、ひとつひとつ順を追って考えていけば、それほど難しくないはずです。焦らずゆっくり、理解していきましょう。


さて、本講座でクラスモジュールについて何度か解説してきましたが、イベントの自作をもってクラスモジュールに関する講座は終了です。全5回のクラスモジュールに関する講座を順番に読んできた方のなかにも、まだまだクラスモジュールの仕組みがよくわからないという人もいると思います。
実際問題、クラスモジュールは自分で使っていかないとなかなか覚えられません。また、無理に使わなければならないというものでも、ないのです。仕組みだけは最低限覚えておいて損はありませんが、かといって何でもクラスモジュールによって管理するべきなのかと言えばそんなことはなく、時と場合によって使い分けることが最も大切でしょう。

ゲームの開発という点では、クラスモジュールはそれなりに活躍できる場面があると思っています。敵キャラクターを表すクラスを作り、HPやMPなどの各種ステータスをクラス内部で実装するようにしておけば、煩雑な変数の管理をする手間から一気に解放されます。プロパティを設定するだけでHPやMPの増減ができるわけですから、コードの可読性も一気に高くなることは想像できると思います。

なかなか難しい分野であるクラスモジュールの世界。しかし、マスターできれば確実にレベルアップできます。是非、めげずにがんばっていただけたらと思います。
今回の講座で解説したサンプルも、別館に上げておきます。参考にしたい方は下記からダウンロードしてください。


サンプルダウンロード ⇒ コチラよりダウンロードできます。(別館)


■格言

イベントは自作できる
プロシージャ間の処理の遷移に気を配る


なんかクラスモジュール使えるだけで、一歩上のVBAプログラマっぽい感じがしますね。








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    Chapter.124 [ クラスモジュールとは ]
    Chapter.125 [ クラスモジュール:メソッド編 ]
    Chapter.126 [ クラスモジュール:プロパティ編 ]
    Chapter.127 [ クラスモジュール:イベント拡張編 ]
    Chapter.128 [ クラスモジュール:イベント自作編 ]
    Chapter.129 [ APIによる描画処理1:ハンドル ]
    Chapter.130 [ APIによる描画処理2:デバイスコンテキスト ]
    Chapter.131 [ APIによる描画処理3:ペン オブジェクト ]
    Chapter.132 [ APIによる描画処理4:ブラシ オブジェクト ]
    Chapter.133 [ APIによる描画処理5:図形描画準備編 ]
    Chapter.134 [ APIによる描画処理6:図形描画実践編 ]
    Chapter.135 [ APIによる描画処理7:画像描画の仕組み編 ]
    Chapter.136 [ APIによる描画処理8:ビットブロック転送編 ]
    Chapter.137 [ APIによる描画処理9:ラスタオペレーション ]
    Chapter.138 [ APIによる描画処理10:マスク描画 概念編 ]
    Chapter.139 [ APIによる描画処理11:マスク描画 実践編 ]


    コードやVBAに関する質問などはサポート掲示板(別館)までお気軽にどうぞ。




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